ツヤのある黒褐色の素肌美がよい海苔の必須条件
さて、よい海苔とはいったい何を基準に決められるのでしょうか。
よい海苔の基本は、色ツヤのよさです。
多いほどよいとされる色素の量は、海苔が育った海の地形や水温、日照量や栄養分、そして養殖方法などによっても違ってきます。普通クロロフィルの多いものが他の色素も多く含み、焼くと緑黒色になり、見た目でよい海苔といわれます。また表面がなめらかであるほど、よく光を反射して輝きが生まれ、美しいツヤをもつよい海苔として太鼓判が押されます。
美しさ、味、香り。
よい海苔を決定する3要素。
私たちの業界では、基本的に海苔の美形度を中心とした等級格付けが行われ、よい海苔のランクが決められます。もちろん、海苔本来の味や香りがそのまま息づいているか、どうかも重要なチェックポイントになります。美しさと味、香りの3拍子そろった海苔こそ、よい海苔の王様といえます。

美味しい海苔の科学博覧会。
海苔の香りや美味しさの秘密を探っていくと、どうもアミノ酸という科学成分が関係しているようです。
乾海苔の香りの正体は揮発酸と呼ばれるものです。また焼き海苔では海苔に含まれるアミノ酸と糖が熱によって反応するときも、とてもよい香りがします。このアミノさんと糖。実は海苔のおいしさの正体でもあるのです。
海苔をおいしさの順に並べると、おいしい海苔ほどたくさんのアミノ酸を含んでいることがわかります。アミノ酸のほかに、砂糖の2倍の甘さを持つ遊離糖や、カツオぶしの旨味の元になっているイノシン酸、シイタケの旨味要素、グアニル酸なども含まれていて、海苔のおいしさをカタチづくっています。
最後に柔らかさ。海苔の命は口のなかでパッと広がる味と香り。ですから、舌ざわりのよい、柔らかい海苔のひとつの条件といえます。海苔の柔らかさは多糖類とその成分の比率によっていて、これは海苔の育つ環境や品種、養殖の方法などによってかわってきます。

品質と化学成分のおいしい関係。


全日本海苔の自慢市
北は北海道、東北から、南は九州までそれぞれの土地柄によって海苔は、さまざまな個性ある表情をもっています。

海苔を生かす料理三昧2
のりサラダ(4人分)
❶レタス(1/2個)をてでちぎって洗い、きれいに水気を取る。きゅうり(1本)はフォークで表面に傷をつけ、小口切りにする。セロリ(1/2本)は筋をとり、薄切りにする。赤ピーマン(1個)は輪切りにする。
❷器に❶とクレソン(1/2束)、ちりめんじゃこ(大2)、もみ海苔を加えて混ぜ合わせ、好みのドレッシングでいただく。
のりチャーハン(4人分)
❶フライパンにサラダ油(少々)を熱して白葱(1/2本)のみじん切りを炒め、香りが出たらごはん(500g)を加えてほぐす。梅干のほぐしたものとちりめんじゃこ(大2)を加えて塩、胡椒で調理する。
❷❶にかつおパック(1パック)と青ねぎの小口切りを散らし、最後に醤油を加える。器に盛ってもみ海苔を散らす。
きのこスパゲティー(4人分)
❶スパゲティ(400g)をたっぷり熱湯に塩を加えた中で少し歯ごたえが残る程度に茹でておく。
❷フライパンにバター(大4)を熱してきのこを炒め、塩、胡椒(少々)で調味して白ワイン(大2)を加える。
❸❷に❶を加え、醤油(大1〜2)を入れる。器に盛って海苔を散らす。
海苔の博物館 ご案内
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2.あの日本武尊(ヤマトタケルノミコト)の心を奪った美しい海苔の風景。
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